裏庭散歩 自然探索 4月中旬
黒熊 ブラックベアー
4月中旬になると、山にはまだ随分雪が残っていますが、日のあたる部分には雪がほとんど見られません。そうなると、冬眠からさめる動物たちをあちらこちらでみかけるようになります。時折、2月にも少し暖かい日には眠りからふとさめるリスたちが梢をわたっているのを目にしました。4月になると、完全に目をさました動物たちが活発に動き回ります。
そうなると、いつも話題になるのが、黒熊です。
冬眠中に、熊は約4分の1の体重減です。よく私たち人間は「お腹がすいて目が回りそうだ。」と表現しますが、熊は小さな目をくるくるとまわすほどお腹を空かせて穴から出てくるのでしょう。穴からでてくると、さっそく雪の解けた地表に残っているどんぐりを食べます。また、若芽や草も食べますが、4月14日の現在、新芽は梢にまったくない状態です。勿論緑の草もまだはえておらず、去年の枯れた茶色い草がみえるのみ。
ニューイングランド6州のうちの1つ、ニューハンプシャー州を例に挙げましょう。この小さな州には現在約4,600頭の黒熊が生息しています。州の動物庁では、4月1日までに各家庭の鳥の餌場から餌を取り除くように奨励しています。鳥の餌であるひまわりの種は、若葉もまだ出ていない寒い4月の山の中では、熊にとって格好のごはんです。バードフィーダーがベアフィーダーになっては困ります。小さな鳥のためのバードフィーダーを大きな身体の熊がごそごそとあさっては、簡単にフィーダーは壊れてしまうことでしょう。
また、生ゴミは、しっかりと口をしめて熊があけることのできない頑丈なゴミ箱(大きいがっちりとしたゴミ箱のことです。たるのようなゴミ箱では、熊は簡単にころころところがしたりしますから。)にいれること。それができないのであれば、屋外納屋の戸が開かないようにしてゴミを保管しておくか、家の中にいれておくこと。熊は嗅覚が発達しているので、においにつられて餌をあさりに出没します。実際、近隣の家で、ポーチにごみを置いておいたら熊がひょっこり来訪し、ポーチの網戸を破ってごみをあさっていたことがありました。そんなことがないようにご用心、ご用心。
黒熊は灰色熊に比べると非常に小柄で、また、熊のほうから人間を襲うことはめったにありません。人間を非常に怖がるので、人声がするとすばやく熊のほうから逃げていきます。それでも、春先の空腹にはいかんともしがたく、餌を求めて人家までおりてくることがあります。人間にとっても、熊にとっても、お互いの遭遇はあまり好ましいものではありません。熊がニューハンプシャーで人を襲って殺したのは、1784年が最後です。反対に、熊が人間に殺されるのは時々あるようです。そのような悲劇がおこらないように、人家に熊がひきよせられないような対策を施すのが人間から熊にとっての、せめての思いやりでしょう。
(2008年4月14日)