Shaker History 5 (食と衣服)
まず、食からはいりましょう。
シェーカーは禁欲生活をしている。⇒ 菜食主義 と思い込んでいる人に時折あたります。食について、シェーカーにはその傾向はまったく見受けられません。自分たちの農場から豊富に食料がとれるわけですから、それを自分たちの胃袋におさめずしてなんとしましょう。シェーカーのレシピがたくさん残っています。ここに2つ例を挙げましょう。
シェーカー 鶏のクリーム煮 (4人分)
(材料) 小さな鶏1羽、バター大匙2、小麦粉大匙1、たまねぎ1、クローブ4、塩小匙1、白胡椒小匙半分、タラゴン(ハーブ)大匙2、熱湯2カップ、生クリーム1カップ
鶏をバターでいためる。そこに小麦粉をふりかけ、蓋をして5分蒸らすようにして料理する。クローブをたまねぎにさしたもの、塩、胡椒、タラゴンを加え、熱湯をそこにかける。蓋をして20分から30分やわらかくなるまで煮る。やわらかくなったら、最後に生クリームを加えて、汁が1カップになるまで煮詰める。

ローズウォーター (ばら水)のクッキー (4ダース分)
(材料) バター2スティック、砂糖1カップ、卵2(泡立てる) 小麦粉2カップ半、ベーキングソーダ小匙1、ローズウォーター小匙2、オレンジの皮もしくはレモンの皮を細かくきざんだもの半カップ、塩一つまみ、ほしブドウ半カップ
バターと砂糖をあわせて練る。泡立てた卵をそこに加える。小麦粉とベーキングパウダーを一緒にふるい、混ぜる。ローズウォーター、果物の皮のきざんだもの、塩、レーズンを加えて混ぜる。薄くバターを塗ったクッキングシートに生地を落とす。あらかじめ190度にあたためておおいたオーブンで約20分焼く。
2つレシピをあげました。両方とも乳製品がたっぷり使われています。シェーカーでは、たくさんの家畜が飼われていました。また、シェーカーが質の良いハーブ類を栽培していたことを証明するように、タラゴンも鶏の料理で登場しています。おもしろいのが、ローズウォーターです。質素なシェーカーがなぜバラを、と思う人は大勢いると思います。実は、「外の世界」の人に売るためにシェーカーはバラを栽培していたのです。また、興味深いのは、オレンジやレモンといったコミュニティーではとれないものを料理に使っていることです。これらは、「外の世界」から購入したものです。他にも、外の世界から魚介類や南部の果物を購入していたことがレシピから知ることができます。
食生活に関しては、シェーカーは大変豊かだったようです。そのため、「ウィンターシェーカー」なるシェーカーも出現しました。これは、マサチューセッツのハーバードやシャーリーコミュニティーでみかけられました。この2つのコミュニティーは比較的ボストンに近いため、冬になるとボストンで職にあぶれた人たちがシェーカーに入信するのです。そして、春になるとシェーカーを去っていくというわけです。つまり、シェルター的役割をシェーカーは担っていたということです。ただし、このウィンターシェーカーを敬虔なシェーカー教徒がどう思っていたかは記録に残っていないのではっきりとはわかりませんが。
さて、衣服に移りましょう。
一言で言うと、時代遅れの服装でした。質素を重んじるシェーカーたちです。流行に左右される服装は、そこにかけるお金がもったいないという理由もありましたし、外部とほとんど遮断されているので流行の服の情報があまりはいってこなかったのでしょう。それにしても、つい最近1960年ごろまでの服装をみると時代遅れの感を拭えません。それでも、昔のケープ類はシンプルで非常に美しいと、現在の目から見ても感じます。現在もまだ健在のターシャ・テューダーという童話作家がバーモンド州にいますが、彼女もシェーカーのような服装(シェーカーにしては華美ですが)をいまだにしています。それをみると、すべてを時代遅れとくくってしまうのは語弊があると反省します。長年使い込まれた知恵のつまった美しさ、しかし、現在の流行とは縁のない服装、と言葉を変えたほうがよいでしょうか。
(余談) 上にあげたレシピは、ハンコックシェーカービレッジに残っていたものです。とても簡単においしく作れますう。是非お試しください。
また、カンタベリー・シェーカービレッジでは本格的シェーカー料理を楽しむことができます。弊社のツアー(プリメイド、もしくは、オーダーメイド)もありますので、ウェブのTravel をご覧下さい。また、シェーカービレッジ訪問のみご希望の方も、お申し出ください。マサチューセッツ州、メイン州、ニューハンプシャー州のシェーカービレッジから、日程・予算にあわせてシェーカーツアーを組むことができます。
次回は礼拝について。
(3月12日2008年)